今日もジベ処理、明日もジベ処理 ジベジベジベ
「へそ!」
ワンピースの空島編では、そんな挨拶がありましたよね。
では、この時期のイノハラぶどう園の挨拶は何か。
もちろん——
「ジベ!」
です。
朝会ってもジベ。
昼に会ってもジベ。
夕方になってもジベ。
今のぶどう農家の頭の中は、
だいたいジベでいっぱいです。
ジベってなんぞや?
さて、そのジベとは何か。
正式には、
ジベレリン処理。

ぶどう農家の間では
「ジベ処理」と呼ばれています。
この作業、
実はとても重要。
なんと、
タネをなくす
実を大きくする
という二つの役割があります。
つまり、
シャインマスカットも、
クイーンセブンも、
マスカサーティーンも、
ジベ処理をしなければ——
タネありぶどう。
になります。
これを話すと、
意外と驚かれます。
タイミングが命
ジベ処理で難しいのは、
作業そのものよりタイミング。
1回目は
満開から3日以内
2回目は
満開から10〜15日以内
という決まりがあります。
しかも。
ぶどうの花は約2週間にわたって順番に咲きます。
同じ樹の中でも、
「この房は満開」
「隣はまだ」
「その隣はもう終わり」
なんてことが普通。
つまり、
満開になった房から順番に処理。
毎日ジベ
当然こうなります。
月曜日 ジベ。
火曜日 ジベ。
水曜日 ジベ。
木曜日もジベ。
1回目のジベが終わったと思ったら、
今度は2回目のジベ。
気がつけば、
ジベジベジベジベ。
もう頭の中で
「ジベレリン」という単語が
エンドレス再生です。
ぶどうの成長が早すぎる
そんなジベ処理ですが、
実は楽しい瞬間もあります。
それは——
ぶどうが急に大きくなり始めること。
2回目のジベ処理をする頃になると、
「あれ?」
「昨日こんな大きさだったっけ?」
という房が出てきます。
本当に驚くほど早い。
昨日まで小さかった実が、
数日で
「おっ、ぶどうっぽくなってきたな」
という姿になります。
次は摘粒
しかし、
感動している暇はありません。
ぶどうは待ってくれない。
次に待っているのは——
摘粒。
一房に100粒近く付いている実を、
35粒前後まで減らします。
一粒ずつ。
ハサミで。
チョキチョキチョキ。
ぶどうとのレース
摘粒が遅れると、
粒がギチギチに詰まります。
すると、
実が押し合い、
変形したり、
割れたり。
つまり、
大粒で美しいぶどうを作るためには
スピード勝負。
ぶどうが大きくなる前に終わらせる必要があります。
今年もレース開始
というわけで、
今年も始まりました。
ぶどうとのレース。
ジベ処理。
摘粒。
そしてその先には収穫。
ぶどう達は毎日成長しています。
負けていられません。
今日もジベ。
明日もジベ。
しばらくは、
「ジベ!」
がイノハラぶどう園の合言葉になりそうです。
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